「ゴミ屋敷が増えている」という現状の中で、その放置を許さず、問題解決に向けて大きな力を発発揮するのが「地域住民」の存在です。行政の介入が難しいとされる状況でも、住民一人ひとりの意識と行動が、問題解決の糸口となることがあります。地域住民の力として、まず最も重要なのは「早期発見と情報共有」です。地域住民は、ゴミ屋敷の住人の日常生活や、自宅周辺の異変に最も早く気づける立場にあります。郵便物が溜まっている、洗濯物が干されない、異臭がする、害虫が増えた、といった些細な変化を見逃さず、自治体や地域包括支援センターなどの関係機関に速やかに情報提供することが、問題の早期発見・早期介入につながります。住民からの情報は、行政が介入を検討する上で重要な根拠となります。次に、「見守り活動と声かけ」も大きな力となります。地域住民が、ゴミ屋敷の住人に対し、日頃から温かい声かけを行ったり、さりげない見守りを続けたりすることで、住人の孤立を防ぐことができます。人間関係が希薄なゴミ屋敷の住人にとって、近隣住民からの声かけは、社会との唯一の接点となることもあります。信頼関係が築ければ、住人が自分の困り事を打ち明けやすくなり、支援を受け入れるきっかけとなることも期待できます。また、「地域コミュニティによる協力体制の構築」も重要です。自治会や町内会などの地域団体が、ゴミ屋敷問題に関する勉強会を開催したり、住民からの相談窓口を設けたりすることで、地域全体で問題意識を共有し、協力して解決に取り組むことができます。例えば、清掃活動にボランティアとして参加したり、住人の生活を支援する団体を立ち上げたりすることも考えられます。さらに、「住民運動や請願活動」も、行政を動かす大きな力となります。ゴミ屋敷が長期にわたって放置され、近隣住民の生活環境が著しく悪化している場合、住民が連帯して行政に対し、清掃や改善を求める請願書を提出したり、住民集会を開催したりすることで、行政に迅速な対応を促すことができます。住民の強い声は、行政が行政代執行を検討する際の重要な判断材料となります。ゴミ屋敷の放置は、地域社会が抱える共通の課題です。地域住民一人ひとりが無関心でいるのではなく、互いに支え合い、協力し合うことで、放置されたゴミ屋敷問題の解決に大きな一歩を踏み出すことができるのです。