「ゴミ屋敷が増えている」という現状は、単なる片付けの問題に留まらず、深刻化する「空き家問題」と密接に連動し、負の連鎖を生み出しているケースが少なくありません。放置されたゴミ屋敷が、やがては放置された空き家となり、地域社会にさらなる重荷を課す現実があります。ゴミ屋敷が空き家となる主なパターンはいくつかあります。一つは、ゴミ屋敷の住人が高齢化や病気、障がいにより、施設に入所したり、病院に長期入院したりするケースです。住人が不在になっても、残されたごみや家財がそのまま放置され、誰も管理しない状態になることで、ゴミ屋敷がそのまま「空き家のゴミ屋敷」となります。もう一つは、ゴミ屋敷の住人が孤独死したり、亡くなった後に家族が遠方に住んでいたりして、遺品整理や片付けが放置されるケースです。遺品整理もままならない状態で家が放置され、時間の経過とともに建物が劣化し、ごみも散乱したままになることで、空き家化が進みます。放置された空き家のゴミ屋敷は、通常のゴミ屋敷が抱えるリスクに加えて、さらに深刻な問題を引き起こします。まず、「防犯上のリスク」が大幅に増大します。人の出入りが途絶えた空き家は、不審者や不法投棄の温床となりやすく、犯罪の誘発や地域の治安悪化につながります。次に、「急速な建物の劣化と倒壊の危険性」があります。誰も管理しない空き家は、雨漏りや設備の故障が放置され、建物の老朽化が急速に進みます。特にゴミが堆積していることで湿気がこもりやすく、木材の腐食などが進み、地震や台風などの災害時に倒壊する危険性が高まります。これは近隣住民の生命と財産に直接的な脅威となります。また、「権利関係の複雑化」も空き家問題ならではの課題です。相続人が複数いたり、行方不明であったりする場合、所有権の特定や交渉が困難となり、行政が介入しようとしても、手続きが長期化し、問題解決がさらに難しくなります。ゴミ屋敷と空き家問題の連鎖は、地域社会の活力を奪い、安全・衛生・景観の全てに悪影響を及ぼす深刻な社会現象です。この負の連鎖を断ち切るためには、ゴミ屋敷の早期発見・早期解決だけでなく、空き家予備軍への対策や、相続人への情報提供、そして地域住民による見守り活動の強化が不可欠です。
放置されたゴミ屋敷と空き家問題の連鎖