ゴミ屋敷の片付けを業者に依頼する際、料金体系の中に「特殊清掃」という項目を目にすることがあります。これは一般的な「一般清掃」とは大きく異なり、料金も高くなる傾向にあります。ゴミ屋敷の料金を理解するためには、この特殊清掃と一般清掃の違いを明確に把握しておくことが重要です。まず、「一般清掃」とは、日常的な掃除の範疇で行われる清掃作業を指します。例えば、床の掃き掃除や拭き掃除、簡単な水回りの清掃、ホコリ取りなどがこれに該当します。ゴミ屋敷の場合でも、比較的軽度な汚れや、物が少ない状態であれば、一般清掃の範囲内で対応できる場合があります。しかし、ほとんどのゴミ屋敷では、一般清掃では対応しきれない状況に陥っています。そこで必要となるのが「特殊清掃」です。特殊清掃は、長期間放置されたゴミによって発生した深刻な汚れや臭い、害虫などに対応するための専門的な清掃作業を指します。具体的には、床や壁に染み付いた体液や排泄物の除去、強烈な腐敗臭の消臭作業、カビの徹底的な除去、ダニやゴキブリ、ネズミなどの害虫駆除、さらには死臭などの特殊な臭いの対策も含まれます。これらの作業は、専用の薬剤や機材、高度な技術と経験を要するため、一般清掃と比較して料金が高くなるのです。特殊清掃が必要な場合、単に物を撤去するだけでなく、建物の構造材にまで染み付いた汚れや臭いを根本から除去しなければ、完全にきれいになったとは言えません。また、作業には防護服の着用や、感染症予防のための厳重な対策も必要となります。ゴミ屋敷の料金見積もりを取る際には、自分の部屋が特殊清掃の対象となるのか、その場合、具体的にどのような作業が含まれるのかを業者にしっかりと確認し、料金の内訳を理解しておくことが大切です。